仮発注書・仮注文書に法的な効力はあるのでしょうか?
仮発注書・仮注文書であっても、原則として、法的拘束力(法的効力)はあります。例外として、法的拘束力(法的効力)を否定した規定がある場合は、法的拘束力(法的効力)はありません。

仮発注書・仮注文書というタイトルの文書であっても、発注書・注文書と同様に、「契約の申込みを証する書面」であれば、書面のタイトルに関係なく、法的拘束力(法的効力)が生じます。

【意味・定義】注文書・発注書とは?

注文書・発注書とは、契約の申込みを証する書面をいう。

よって、「仮発注書」や「仮注文書」というタイトルが重要なのではなく、仮発注書や仮注文書に記載された内容が重要となります。

この点について、仮発注書や仮注文書の内容として、法的拘束力(法的効力)が無いことを規定している場合や、法的拘束力(法的効力)を否定した条項がある場合は、その仮発注書や仮注文書は、法的拘束力(法的効力)がありません。

こうした仮発注書や仮注文書は、契約の申込みとして交付されるものではなく、一種の議事録として提示されているものに過ぎません。

なお、契約の申込みに関する法的拘束力(法的効力)について、その発生に何からの条件(停止条件)が付されている場合は、その条件が成就した場合に、「仮発注書」や「仮注文書」の契約の申込みに関する法的拘束力(法的効力)が発生します。

このように、「仮発注書」や「仮注文書」は、特殊な契約内容が規定されている場合は、法的拘束力(法的効果)が無かったり、後から発生することもあります。

しかしながら、こうした特殊な契約内容が規定されていない限り、「仮発注書」や「仮注文書」は、通常の発注書や注文書と同様に、法的拘束力(法的効力)が最初から発生します。

なお、仮契約書の法的拘束力(法的効果)につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

仮契約書の意味・リスクとは?法的効果・法的拘束力はあるの?

まとめ
  • 仮発注書や仮注文書の法的拘束力(法的効果)の有無は、書面のタイトルではなく内容によって決まる。
  • 仮発注書や仮注文書は、法的拘束力(法的効果)を否定した内容が無い限り、法的拘束力(法的効果)は発生する。
  • 条件付きの仮発注書や仮注文書は、その条件を成就した場合に法的拘束力(法的効果)を発生させるように規定することもできる。