「何日まで」「何日までに」は、期限・締切りの当日を含むのでしょうか?
「何日まで」「何日までに」は、期限の最終日や締切りの当日を含み、その日の午後12時00分(24時00分)が最終期限となります。なお、期限が休日である場合は、民法第142条により、業界の慣習次第では、期限を順延できる場合があります。

このページでは、「何日まで」「何日までに」など、日にちで期限や締切りを設定した場合の期限の範囲、特に当日が含まれるかどうかについて、わかりやすく解説しています。

「何日まで」「何日までに」というように日にちで期限を定めた場合、民法上は、その日を含む当日の午後12時00分、つまり日付が変わる直前までが期限となります。

このため、債務の履行の期限を日で定めた場合は、その日の午後12時00分までに債務を履行すれば、契約違反になりません。

このページでは、こうした「何日まで」「何日までに」の正確な期限や計算のしかたや、当日を含む何時までなのかについて、開業22年・400社以上の取引実績がある行政書士が、わかりやすく解説していきます。

このページでわかること
  • 「何日まで」「何日までに」の期限・締切りは当日を含むのかどうか。
  • 「何日まで」「何日までに」の当日の何時までが期限になるのか。




「何日まで」「何日までに」は当日を含む

結論としては、「何日まで」「何日までに」は、その当日を含みます。

また、時刻としては、当日の午後12時00分=24時00分(24時間表記)が最終期限となります。

ただし、これらは、あくまで民法における期限の計算のしかたとなります。

このため、ビジネスマナーや商慣習としての計算のしかたとしては、必ずしも正しくない可能性もあります。

ポイント
  • 「何日まで」「何日までに」は、当日を含む。
  • 「何日まで」「何日までに」は、当日の午後12時00分(24時00分)が最終期限。
  • 上記は民法上の計算のしかたであるため、ビジネスマナーや商慣習としては別の計算のしかたもあり得る。





「何日まで」「何日までに」は期限のこと

期限とは?

「何日まで」「何日までに」は、民法や契約実務においては、「期限」のことを意味します。

期限は、あるピンポイントの特定の時点のことを意味します。

【意味・定義】期限とは?

期限とは、特定の時点までのことをいう。

日で定めた場合の期限には、最終日の当日を含みます。

このため「何日まで」「何日までに」という表現の場合は、その「何日」が期限であり、「何日」の前日は期限ではありません。

「何日」の範囲は最終日の当日の午後12時00分の直前まで

また、民法上の個々の日は、午前0時00分から午後12時00分です。

ですので、期限は、その期限の最終日の当日の午後12時00分直前までとなります。

例えば、民法上は、その期限の最終日の23時59分までに納入や支払いをすれば、納入期限内や支払期限内に納入・支払いをしたことなります。

このため「何日まで」「何日までに」という表現の場合は、その「何日」の午後12時00分の直前が最終期限となります。

「何日まで」「何日までに」の日中を期限とする場合は時刻を指定する

以上のとおり「何日まで」「何日までに」は、その日を含み、最終期限はその日の午後12時00分となります。

この点について、ビジネス上の都合で午後12時00分直前の納入や支払いでは困る場合もあるでしょう。

こうした場合は、「何日まで」「何日までに」だけでなく、その日の時刻も指定する必要があります。

この他、期日と期限の違いにつきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

期日・期限とは?期日と期限の違いについても解説





「何日まで」「何日までに」=期限(特に支払期限)が休日の場合は順延される?

「何日まで」「何日までに」が休日の場合は?

なお、企業間取引の契約において、「何日まで」「何日までに」の何日=期限が休日だった場合、どうしてもその休日である期限までに債務の履行(納入・業務の実施・支払い)等をしなければならないのでしょうか?

これは、業界の慣習によって異なります。

民法第142条には、以下の規定があります。

民法第142条(期間の満了

期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第百78号)に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する。

この規定は、あくまで期間の満了に関する規定ですが、判例(最高裁判例平成11年3月11日)により、債務の履行期限にも類推適用されます。

つまり、休日に「取引をしない慣習がある場合」は、その期限の直後の日に債務を履行したとしても問題ありません。

支払期限は順延できる

この点について、すでに提示した判例にもあるように、銀行振込による金銭の支払いについては、一般的には、銀行が休業日であった場合は、直後の営業日に支払ったとしても、契約違反にはなりません。

このため、支払期限の最終日が休日であった場合は、銀行の翌営業日まで支払期限を順延できます。

ただし、下請法が適用される場合、この順延のしかたは、最長で2日(支払期限を納入等から60日後にしている場合)となり、親事業者と下請事業者との書面での合意が必要となります。

この他、支払期限・支払期限が休日だった場合の順延につきましては、詳しくは、以下のページ(弊所運営外部サイトのページ)をご覧ください。

契約書の支払期限・支払期日・支払日が休日の場合はいつ支払うべき?





「何日まで」「何日までに」は商法第1条により当日を含まない場合もあり得る

以上の「何日まで」「何日までに」の数え方は、すでに述べたとおり、あくまで民法上の数え方です。

これに対し、企業間取引の場合は、民法の特別法である商法が適用されます。

【意味・定義】特別法とは?

特別法とは、ある特定の事項について、一般法よりも優先して適用される法律をいう。

一般法と特別法の違いは?優先順位・具体例の一覧などをわかりやすく解説

商法第1条第では、商人同士による商取引(一般的な企業間取引)に適用される法律や慣習について、優劣が規定されています。

商法第1条(趣旨等)

1 商人の営業、商行為その他商事については、他の法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の定めるところによる。

2 商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法(明治29年法律第89号)の定めるところによる。

より詳細には、商慣習や一般の慣習など、次のような細かな優劣関係があります。

商事における法律の適用の優先順位

「他の法律の特別の定め」(商法第1条第1項)>商法>商慣習>「任意規定と異なる慣習」(民法第92条)>民法

このため、民法や商法以外の法律や、商慣習によっては、「何日まで」「何日までに」には、当日を含まない可能性もあります。

また、同様に、「何日」の午後12時00分(24時00分)が最終期限にならない可能性もあります。





ビジネスマナーとしては「何日まで」「何日までに」には当日を含む?

ビジネスマナーとしての「何日まで」「何日までに」は特に決まりはない

このように、「何日まで」「何日までに」は、法律上(特に民法上)の数え方としては、明確に決まっています。

これに対し、ビジネスマナーとしての「何日まで」「何日までに」の数え方は、特に明確な決まりはありません。

よって、誰にでも共通する正解は無いと考えるべきでしょう。

言い換えれば、「人による」ことになります。

ビジネスマナーとしての「何日まで」「何日までに」は営業時間中のなるべく早い方が望ましい

ただ、「何日まで」「何日までに」は、当日を含む点については、概ね一致するでしょう。

他方で、「何日」の「何時まで」なのかについては、考え方が一致しない可能性が高いと思われます。

このため、ビジネスマナーとしては、「何時まで」なのかについては、相手方の営業時間中のなるべく早い時刻(ただし、迷惑を掛けないことが前提)であることが望ましいです。

もし不安な場合は、「何時まで」なのかをあらかじめ確認しておくといいでしょう。

この他、期限・期日につきましては、詳しくは、以下のページをご覧ください。

期日・期限とは?期日と期限の違いについても解説





「何日まで」「何日までに」の期限に関連するQ&A

「◯日まで」とはどういう意味ですか?
「◯日まで」は、◯日の午後12時00分(24時00分)の直前まで、という意味です。
「何日まで」「当日までに」という期限は当日を含みますか?
「何日まで」「当日までに」という期限は当日を含みます。
締め切り日はその日も含まれますか?
締め切り日はその日も含まれます。

締切日とは?当日を含む?休日の場合の扱いは?契約書の書き方も解説

「何日までに」の支払いの期限には当日を含みますか?支払期日とは当日も含むのですか?
「何日までに」の支払いの期限には当日を含みますので、その当日の午後12時00分(24時00分)の直前までに支払えば問題ありません。

期限には当日を含みますか?何時まで?支払期限の場合は?