こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、企業にとって、消費者が契約の相手方になる場合の注意点・ポイントについて解説しています。

消費者は、民法、消費者契約法、特定商取引法など、各種法律によって、強力に保護されていあす。

このため、消費者向けの事業で契約を締結する場合は、こうした保護や規制について、よく検討しなければなりません。

このページでは、こうした消費者保護の制度の注意点について、わかりやすく解説します。

スポンサードリンク

【意味・定義】消費者とは?

消費者とは、法的には、事業者以外の個人のことをいいます。

消費者契約法第2条(定義)

1 この法律において「消費者」とは、個人(事業として又は事業のために契約の当事者となる場合におけるものを除く。)をいう。

(以下省略)

上記の定義は、あくまで消費者契約法の定義ではありますが、一般的な定義も同様の定義です。

消費者は、いわゆる「BtoC(Business to Consumer)」の取引のうちの、「C」のほうに相当します。

また、たとえ職業が個人事業者であったとしても、事業上の取引でなければ、それは消費者として取引をしたことになります。

[ad2]

未成年者や高齢者との契約は要注意

【意味・定義】制限行為能力者とは?

消費者と契約を結ぶ場合、まず気を付けなくてはならない点は、相手方が制限行為能力者であるかどうか、という点です。

制限行為能力者とは、行為能力(契約を結ぶ法的な権利)が制限されている者のことです。

制限行為能力者には、次の4種類があります。

民法上の制限行為能力者

  • 未成年者(民法第4条
  • 成年被後見人(精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者。民法第7条
  • 被保佐人(精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者。民法第11条
  • 被補助人(精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者。民法第15条

このように、制限行為能力者の制度は、民法にもとづく制度であるため、あらゆる契約に影響を与えます。

制限行為能力者は単独で契約が締結できない

制限行為能力者は、契約を結ぶ権利が制限されています。

具体的には、原則として、制限行為能力者は、単独では契約を結ぶことができません。

制限行為能力者自身が勝手に契約を結んでしまった場合、その契約は、後で取り消されてしまう可能性があります。

この場合、よほど悪質でない限り、企業としては、制限能力者の側に対して、責任を追及することはできません。

というのも、制限能力者についての民法の規定は、あくまで、判断力が低いとされる制限能力者自身を保護するための規定だからです。

特に未成年者と高齢者との契約には要注意

実際のビジネスでは、未成年者や一部の高齢者との取引に注意が必要です。

これらの制限行為能力者を対象とするビジネスモデルの場合は、企業側にとっては、契約が取り消されてしまうリスクが、常に付きまといます。

このリスクへの対策としては、制限行為能力者の代わりに、契約を結ぶ完全な権限を持っている保護者に契約を結んでもらうか、少なくとも保護者の同意を得るようにします。

具体的には、契約書に、両親(=親権者)、後見人、後見監督人、保佐人、補助人などのサインをもらう必要があります。

ポイント

  • 制限行為能力者とは、行為能力(契約を結ぶ法的な権利)が制限されている者のこと。具体的には、未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人のこと。
  • 制限行為能力者は、単独で契約が締結できないため、契約の相手方とする場合は注意を要する。
  • 特に未成年者と高齢者との契約には要注意。
スポンサードリンク

消費者は法律により強力に保護されている

企業側としては消費者契約法をよく検討する

民法以外の法律としては、消費者との契約では、消費者契約法も十分に検討するべきです。

消費者契約法は、企業と消費者とのあらゆる契約に適用されます。

消費者契約法では、企業と消費差の契約について、さまざまな規制をかけ、消費者を保護しています。

代表的な規制としては、企業の側の責任を一方的に免責する規定を無効としています(消費者契約法第8条)。

こうした規制についてよく検討しないと、ビジネスモデルの根幹にかかわるリスクを見逃すことになりかねません。

営業方法によっては特定商取引法も検討する

また、営業方法によっては、消費者契約法以外にも、特定商取引法が適用される場合があります。

特定商取引法は、消費者契約法とは違って、すべての企業と消費者との契約に適用されるものではありません。

文字どおり、「特定」の取引にだけ、適用される法律です。

具体的には、この特定商取引法は、次のような営業方法の場合にだけ、適用されます。

特定商取引法の規制対象となる取引

  • 訪問販売
  • 通信販売
  • 電話勧誘販売
  • 連鎖販売取引
  • 特定継続的役務提供
  • 業務提供誘引販売取引

企業の営業スタイルによっては、上記のいずれにも該当しない場合もあるでしょうが、一般的な営業スタイルでは、上記のいずれかに該当することが多いです。

特に、インターネットでの商品・サービスの販売は、上記の通信販売に該当します。

ホームページやウェブサイトで、いわゆる「特定商取引法の表記」があるのは、このためです。

特にクーリングオフのリスクに注意する

消費者保護制度として、おそらく最も有名なものは、クーリングオフ制度です。

このクーリングオフ制度は、特定商取引法にもとづくものが有名ですが、実は、他にもさまざまな法律で定められています。

クーリングオフ制度が適用される契約では、企業の側は、常に消費者からクーリングオフされることを念頭におきながら、契約を結ぶ必要があります。

また、通常、クーリングオフ制度が定められている場合は、契約締結前や契約締結時に、法律の基準を満たした書面を交付する義務もあります。

ポイント

  • 消費者を相手にしたビジネスモデルでは、消費者契約に抵触してないか、契約書の記載内容や利用規約など、あらゆる点で検討をするべき。
  • 営業スタイルによっては、消費者との契約は、特定商取引法の規制の対象となる。
  • 特定商取引法が適用される場合、常にクーリングオフのリスクを考えておく。