こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、代理人が契約当事者になる場合における、署名・サインのしかたについて解説しています。

契約を結ぶ場合に、相手方が代理人であるときは、その代理人の代理権の確認が、とても重要となります。

より具体的には、本人からの委任状と、印鑑登録証明書を提出してもらい、代理権を確認する作業が必須です。

このページでは、こうした代理人との契約の場合の署名・サインや手続きについて、わかりやすく解説します。

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【意味・定義】代理人とは?

代理人は本人のために代理行為をする人

代理人とは、本人(代理する者)のために、何らかの行為をする者のことです(民法第99条)。

代理人のおこなう行為のことを、特に「代理行為」といいます。

この代理行為には、本人のために契約を結ぶことも含まれます。

ですから、代理人は、本人のために契約を結ぶこともできます。

【意味・定義】法定代理人・任意代理人とは?

民法では、「法定代理」と「任意代理(=委任による代理)」の2種類があります。

これらの代理にもとづく代理人を、それぞれ、「法定代理人」、「任意代理人」といいます。

法定代理人の定義

法定代理人とは、本人の意思によらず、法律により代理権が発生する代理人をいう。

法定代理人の具体例としては、親権者は後見人(未成年後見人・成年被後見人)などがあります。

任意代理人の定義

任意代理人とは、本人の意思により委任されて代理権が発生する代理人をいう。

任意代理人の具体例としては、訴訟代理人としての弁護士や、役所への申請手続きを代行する、各種士業(弁理士、税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士等)などがあります。

ポイント

  • 代理人とは、本人のために代理行為をする人のこと。
  • 法定代理人とは、本人の意思によらず、法律により代理権が発生する代理人のこと。
  • 任意代理人とは、本人の意思により委任されて代理権が発生する代理人のこと。
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代理人による署名・サインのしかた

本人・代理人の順番に署名・サインする

代理人による署名・サインは、本人の住所氏名、次いで代理人の住所氏名の順番に記載します。

また、押印については、代理人の実印を押印してもらいます。

理論上は、直筆による署名・サインであれば、必ずしも押印がなくても契約は成立します。

ただ、代理人による契約締結の手続きは、本人による署名・サインがないため、より厳格な手続きとするべきです。

代理人による署名・サインの具体例は?

例えば、本人が佐藤花子で、その代理人が鈴木太郎さんの場合は、その署名・サインは、次のとおりです。

代理人による署名欄の署名方法
東京都◯◯区◯◯(本人の住所) 佐藤花子
東京都◯◯市◯◯(代理人の住所)右代理人 鈴木太郎 

必ず委任状と本人・代理人の印鑑登録証明書を提出してもらう

契約の相手方の署名者・サイナーが代理人の場合、必ず本人からの委任状(法定代理の場合は当事者の関係を証明する書類)を提出してもらいます。

この委任状は、本人が一定の代理行為について、代理人を委任したことの証拠になります。

また、その委任状が本物であることを証明するため、委任状には、本人の実印を押印してもらい、その実印の印鑑登録証明書も提出してもらいます。

さらに、契約書への署名欄への代理人による押印は、代理人の実印で押印してもらい、同時に、その実印の印鑑登録証明書も提出してもらいます。

代理人から受取る書類

  • 本人の実印による押印済みの委任状(法定代理の場合は当事者の関係を証明する書類)
  • 本人の実印の印鑑登録証明書
  • 代理人の実印の印鑑登録証明書

代理人による契約書への署名・サインは、本人による署名・サインではありません。

ですから、確実に本人が契約を締結したとみなされるように、厳格な手続きとします。

ポイント

  • 代理人による署名・サインは、本人・代理人の順番で記載する。
  • 代理人からは、本人が代理人を委任したことを証する委任状(法定代理の場合は当事者の関係を証明する書類)と、本人・代理人の印鑑登録証明書を提出してもらう。
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ニセモノの代理人であるリスク

【意味・定義】無権代理・無権代理人とは?

なぜこれほど厳格な手続きとするのかというと、自称代理人が、「本当は代理人ではなかった」というリスクがあり得るからです。

相手方の署名者・サイナーが代理人となる場合、気をつけなければならないのが、その代理人に本当に代理権があるのか、という点です。

代理権の無い代理のことを、民法上、無権代理(民法第113条)といいます。また、無権代理の代理人のことを、無権代理人といいます。

無権代理・無権代理の定義

無権代理とは、代理権がない代理のことであり、無権代理の代理人のことを無権代理人という。

この無権代理人との契約は、非常に大きなリスクとなります。

無権代理人との契約は本人との間で成立しない

無権代理によって結ばれた契約は、本人との間に効果が発生せずに、その無権代理人との間に効果が発生してしまいます。

つまり、本人ではなく、その無権代理人と契約を結んだことになってしまう、ということです。

無権代理の契約当事者

無権代理による契約は、本人との間ではなく、無権代理人との間で成立する。

これでは、当初の予定どおりに、契約が守られるとは限りません。

そうなると、後々の処理に非常にコストがかかってしまい、場合によっては、何らかの形で損害を被ってしまう可能性もあります。

本人は無権代理人の代理行為を追認・拒絶できる

なお、本人は、その無権代理を追認することもできますが、拒絶することもできます(民法第113条第1項)。

本人から無権代理人による代理行為が追認されれば、通常の代理行為と同じことになります。

ただ、代理権を付与していない無権代理人が勝手に結んだ契約について、本人が後から追認することは、まずありません。

このため、本人による追認は期待できないと考えるべきです。

この点からも、無権代理によるリスクは高いといえます。

無権代理人による契約はすぐに取消すべき

ただ、相手方が無権代理人である場合は、無権代理による契約については、取り消すことができます(民法第115条)。

このため、相手方に代理権がないとわかった時点で、その契約を取消してしまうこともできます。

特に事業での契約の場合は、時間が経てば経つほどリスクが大きくなる可能性があるので、無権代理に気がついた時点で、すぐに契約を取消すべきです。

なお、当然ながら、無権代理をおこなった無権代理人の側からは取消すことができません。

ポイント

  • 無権代理とは、代理権がない代理のこと。無権代理人とは、無権代理の代理人のこと。
  • 無権代理人との契約は、本人との間で成立しない、というリスクがある。
  • 本人は、無権代理人の代理行為を追認・拒絶のいずれもできるが、通常は拒絶する。
  • 無権代理人による契約は取消しができるため、すぐに取消すべき。