【意味・定義】土地売買契約・建物売買契約とは
【意味・定義】土地売買契約・建物売買契約とは?
土地売買契約・建物売買契約とは、当事者の一方が土地または建物の所有権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約する契約をいう。
土地・建物の売買契約は、不動産である土地・建物の売買契約です。
売買契約は、民法では、次のとおり規定されています。
民法第555条(売買)
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
引用元:民法 | e-Gov法令検索
なお、動産の売買契約につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。
土地・建物とも複数の分野の専門知識が必要となる
契約実務・金融・登記制度・土地・建物・投資等の専門知識が必要となる
土地・建物の売買契約は、一般的な動産の売買契約とは違って、複数の分野の専門知識が必要となります。
具体的には、以下のとおりです。
土地・建物・不動産売買で必要となる専門知識
- 契約実務:高額な取引であるため、個々の契約条項について、慎重な検討が必要となる。
- 金融:融資によって購入する場合は、銀行等との金銭消費貸借契約の知識も必要となる。
- 登記制度:新築住宅の売買以外では、複雑な登記制度についての知識が必要。
- 土地・建物:当然ながら、売買の対象となる、土地・建物そのものについても知識は必須。
- 投資:投資としての売買の場合は、事業としての知識も必要となる。
土地・建物の売買契約では、常にトラブルがついてまわります。
特に、消費者として、土地・建物を購入する場合は、何らかの形で、利害関係がない専門家に相談するべきです。
数多くの法規制がある土地・建物の売買契約
一般的な土地・建物の売買契約は、プロ同士の契約を覗いて、宅建業者(いわゆる不動産屋)が売主と買主の間に入っておこないます。
または、宅地建物取引業者自身が、売主または買主となる場合もあります。
このため、宅地建物取引業法(宅建業法)の規制があります。
ただ、土地・建物の売買契約には、この他にも、取引内容によって、次のような様々な規制があります。
土地・建物の売買契約に適用される法律
- 宅地建物取引業法
- 消費者契約法
- 住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)
- 特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
- 農地法
- 不動産特定共同事業法
- 金融商品販売法
これらの法律は、ほとんどが、宅建業者などの専門知識があるほうを規制し、専門知識がないほうを保護している法律です。
このため、特に消費者の側は、かなり強力に保護されているといっていいでしょう。
ただし、だからといって油断していいというわけではありません。
ポイント
- 土地・建物とも、売買契約には、複数の分野の専門知識が必要となる。
- 契約実務・金融・登記制度・土地・建物・投資等など、必要な専門知識は多岐にわたる。
- 土地・建物の売買契約には、多数の規制があり、特に消費者の側は強く保護されていが、それでもトラブルは多い。
土地・建物の売買契約の契約条項
土地・建物の売買契約では、主に次の条項が規定されます。
土地・建物の売買契約の契約条項・書き方
- 住所等の不動産を特定する事項(物件の表示)
- (土地の売買契約の場合)境界の表示に関する事項
- (土地の売買契約の場合)公簿売買・実測売買に関する事項
- 手付・手付解除
- 代金の金額
- 融資に関する特約
- 引渡し
- 引渡しの期日
- 公租公課の起算点
- 検査
- 検査期限
- 契約不適合責任
- (新築住宅の場合)瑕疵を担保すべき資力確保措置
- 所有権の移転
- 所有権移転登記
- 危険負担の移転
- 支払条件(手付金・中間金・残代金)
- 支払期限
- 支払方法
- 契約解除
- 違約金
- 特約条項
土地・建物の売買契約では契約書は必須
土地・建物の売買契約は、口約束でも成立はしますが、契約書は必須です。
これは、どんなに信頼できる相手方であってもです。
通常、土地・建物の売買契約は、非常に高額な取引となりますので、トラブルの金額も高額となりがちです。
また、特に、土地や建物に、当初想定していないような欠陥(いわゆる「契約不適合」)が、後日明らかになる場合もあります。
土地・建物の売買契約では、こうしたトラブルはつきものですので、必ず契約書を作成して、対処します。
契約書を作成する理由・目的
不動産の売買契約は、高額な取引きになることが多く、トラブルも多いため、契約書が必要となるから。