こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、契約書を作成する目的・理由・メリットのうち、法律=任意規定の修正について解説しています。

実は、契約は、一部の法律に反した内容としても、有効になりますし、違法にはなりません。

こうした、当事者の合意によって変えられる、言いかえれば、当事者の合意が優先される規定のことを、任意規定といいます。

任意規定・強行規定とは?その意味・ポイントをわかりやすく簡単に解説

契約書を作成する理由・目的・メリットは様々ありますが、任意規定の修正は、実務的には高度な専門知識が必要となるため、ある意味では、最も重要な理由・目的・メリットであるといえます。

このページでは、こうした法律=任意規定を修正するための契約書作成のポイントについて、解説します。

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契約内容は法律に反していてもいい(ものもある)

当事者の関係は契約で自由に決めていい

契約は、法律の内容と違っていても、原則として有効となります。

そもそも、日本では、私人の間の関係は、当事者の合意によって、自由に決めて良いことになっています。

これを「私的自治の原則」、または「契約自由の原則」といいいます。

こうした原則により、私人同士の関係は、法律よりも当事者の合意(=契約)のほうが優先されます。

契約には様々な法律が適用される

一方で、契約には、様々な法律が適用されます。

企業間取引であろうと、個人間の取引であろうと、契約には、原則として、民法が適用されます。

また、場合によっては、民法以外の法律が適用される場合があります。

契約自由の原則によって、当事者の契約関係は自由に決めてもいいのに、なぜこうした法律があるのでしょうか?

法律は契約の実態に合っていないことが多い

実は、こうした法律は、当事者の合意=契約が無い場合に適用されるものです。

当事者の合意がない場合に備えたものであるため、こうした法律は、平均的・最大公約数的なものが多い、という特徴があります。

また、裁判になった際に、裁判官が幅広く解釈できるように、あまり詳細な部分まで個別具体的に規定されていない、という特徴もあります。

つまり、こうした法律は、実際の契約や取引の実態に合っていないことが多いのです。

ポイント

  • 契約自由の原則・私的自治の原則により、当事者の関係は契約で自由に決めていい。
  • 原則として、当事者の合意は、法律に優先するため、法律に反した合意も有効となる。
  • 契約には様々な法律が適用されるが、必ずしも契約の実態とは適合していない。
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契約書は法律の規定を修正するために作成する

契約書で実態に合っていない法律を修正できる

このように、民法をはじめとした契約に関する法律は、必ずしも契約・取引の実態に合っているとは限りません。

このため、仮に契約書がない場合にトラブルになったときは、実態に合っていない法律の規定によって、トラブルについて判決が下されます。

実態に合っていない法律が判断基準となる場合、どう判断されるか、予測がしづらいうえ、必ずしも自社にとって有利な判決が出るとは限りません。

こうした事情があるため、法律の規定を修正するために、契約書を作成する必要があります。

修正できる法律は任意規定だけ

ただし、どんな法律であっても修正できるかといえば、そうではありません。

確かに、一般論としては、契約に関する規定は、修正できる=当事者の合意(=契約)が優先されるものが多いとされます。

このように、当事者の合意が優先される規定のことを任意規定といいます。

任意規定の定義

任意規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合に、その合意のほうが優先される法律の規定をいう。

契約で修正できるのは、あくまで、この任意規定に限ります。

強行規定は修正できない法律

逆に、いくら当事者の合意があったとしても、優先される法律の規定のことを、「強行規定」といいます。

強行規定の定義

強行規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合であっても、その合意よりも優先される法律の規定をいう。

強行規定に違反した場合、単に契約条項として無効となるだけではなく、場合によっては、刑事罰や行政処分の対象となることがあります。

すでに触れたとおり、契約に関する法律の規定は、一般的には任意規定が多く、強行規定は少ないと言われています。

しかしながら、重要な規定ほど、強行規定であることが多いため、なんでも自由に契約条項を規定していいわけではありません。

なお、任意規定と強行規定につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

任意規定・強行規定とは?その意味・ポイントをわかりやすく簡単に解説

ポイント

  • 契約書は、実態に合っていない法律を修正するために作成する。
  • 任意規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合に、その合意のほうが優先される法律の規定のこと。
  • 強行規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合であっても、その合意よりも優先される法律の規定のこと。
  • 重要な規定ほど、強行規定であることが多い。
  • 契約書で修正できるのは、任意規定だけ。
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任意規定を修正するには高度な専門知識が必要

任意規定と強行規定は必ずしも明らかではない

そこで重要となるのが、任意規定と強行規定のチェックです。

すでに触れたとおり、強行規定に反した契約内容は、契約条項として無効となるばかりか、場合によっては、刑事罰や行政処分の対象となることもあります。

このため、契約書に規定した契約条項が、強行規定に反していないかどうか、よく確認する必要があります。

ところが、非常に厄介なことに、実は、どの法律の規定が任意規定か強行規定かは、ほとんど法律に明記されていません。

過去の判例や専門書を読まないと強行規定か確認できない

契約に適用される法律を知らないと対処できない

この点について、比較的新しい法律や、罰則まで規定されている規定については、強行規定であることは、推測できます。

場合によっては、強行規定であることが明記されていることもあります。

このような場合は、契約にどの法律が適用されるのかを知っていれば、ある程度推測はできます。

逆にいえば、契約にどの法律が適用されるのかを知らなければ、そもそも任意規定や強行規定があるかどうか、確認のしようがありません。

このため、ある程度の法律の知識がなければ、契約書を作成しても、意味がないばかりか、場合によっては刑事罰や行政処分を受ける可能性があります。

強行規定を確認するためには専門知識が必要

それ以上に厄介なのが、任意規定なのか強行規定なのかが、法律に明記されてない場合です。

特に、民法のように古い法律の場合、ある規定が任意規定か強行規定かは、明確に規定されていません。

このため、契約書を作成する際は、契約に適用される法律の規定について、専門書や過去の判例を調べて、強行規定か任意規定かを調べなければなりません。

こうした専門書や判例は、読むだけでのそれなりの専門知識が必要となるうえ、内容を契約書に反映させる必要まであります。

ポイント

  • 法律のある規定が任意規定か強行規定かは、法律で明記されていないことが多い。
  • 契約にどの法律が適用されるか知らなければ、調べようがない。
  • 法律の規定が任意規定か強行規定かは、専門書や過去の判例を確認しないといけない。
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違法な契約とならないよう専門家に確認する

このように、契約自由の原則によって、原則としては、契約当事者の合意=契約は、法律に反したものでも、有効となります。

しかしながら、重要な契約条項ほど、強行規定に違反することが多いものです。

こうしたことを意識せずに契約書を作成していると、知らず知らずのうちに、法律違反となる契約書を作成していることもあります。

特に、企業間取引の契約や、企業と消費者のとの契約は、強行規定=様々な規制があります。

こうした契約に関する契約書は、違法とならないように、必ず専門家によるリーガルチェックを受けましょう

ポイント

強行規定に違反して、契約内容が無効となったり、刑事罰や行政処分の対象とならないよう、必ず専門家のリーガルチェックを受ける。