【意味・定義】契約自由の原則とは?

契約自由の原則の定義

契約自由の原則とは、契約当事者は、その合意により、契約について自由に決定することができる民法上の原則をいう。

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契約自由の原則=私的自治の原則

契約自由の原則は、契約当事者の合意により、契約について自由に決定できる原則をいいます。

契約自由の原則は、別名「私的自治の原則」といいます。

つまり、契約自由の原則=私的自治の原則には、当事者間の関係=契約については、当事者の自治によって決める、という趣旨があります。

契約自由の原則は、所有権絶対の原則、過失責任の原則(自己責任の原則)と並ぶ、近代私法の三大原則のひとつです。

契約自由の原則は4種類に分類される

契約自由の原則は、さらに次の4種類に分類されます。

4つの契約自由の原則

  1. 締結自由の原則
  2. 相手方自由の原則
  3. 内容自由の原則
  4. 方法自由の原則

【意味・定義】締結自由の原則とは?

締結自由の原則の定義

締結自由の原則とは、契約自体を締結する(結ぶ)か締結しないかを自由に決定できる原則をいう。

【意味・定義】相手方自由の原則とは?

相手方自由の原則の定義

相手方自由の原則とは、契約の相手方を自由に決定できる原則をいう。

なお、相手方自由の原則は、締結自由の原則に含める場合もあります。

【意味・定義】内容自由の原則とは?

内容自由の原則の定義

内容自由の原則とは、契約内容を自由に決定できる原則をいう。

内容自由の原則は、契約実務において最も重要な原則といえます。

【意味・定義】方法自由の原則とは?

方法自由の原則の定義

方法自由の原則とは、契約締結の方法を自由に決定できる原則をいう。

ここでいう方法とは、例えば、口頭による契約とするのか、契約書による契約とするのか、などの契約締結の方法のことを意味します。

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契約自由の原則の制限・限界・例外のほうが重要

いくら契約自由の原則があるとはいえ、すべてが自由になるわけではありません。

契約自由の原則にも、制限・限界・例外があります。

特に、事業上の契約の場合は、なんらかの形で、契約自由の原則が制限されることが非常に多いです。

このため、契約自由の原則よりも、むしろその制限・限界・例外のほうが重要といえます。

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締結自由の原則・相手方自由の原則の制限・限界・例外

締結自由の原則・相手方自由の原則の制限・限界・例外としては、例えば、医師の応召義務があります。

医師は、医師法第19条第1項により、診療治療の求めがあった場合は、原則として、これを断ることができません(締結自由の原則の例外)。

また、相手方=患者を自由に選ぶことはできません(相手方自由の原則の例外)。

なお、同様の規定は、歯科医師における歯科医師法第19条第1項、獣医師における獣医師法第19条第1項、薬剤師における薬剤師法第21条、助産師における保健師助産師看護師法第39条第1項等にあります。

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内容自由の原則の制限・限界・例外

【意味・定義】任意規定・強行規定とは?

内容自由の原則の制限・限界・例外としては、いわゆる「強行規定(強行法規)」により、契約内容よりも法律の内容が優先される場合があります。

そもそも、内容自由の原則にもとづき、契約当事者が自由に内容を決められるのは、その内容が、法律による規制がない場合か、または、いわゆる「任意規定」に該当する場合に限ります。

任意規定・強行規定の定義

  • 任意規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合、その合意のほうが優先される法律の規定をいう。
  • 強行規定とは、ある法律の規定に関して、契約当事者による合意がある場合であっても、その合意よりも優先される法律の規定をいう。

言い換えれば、内容自由の原則は、あくまで強行規定に違反しない限り、認められます。

なお、任意規定と強行規定につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

強行規定は弱者保護を目的としたものが多い

事業上の契約に関係する強行規定は、弱者の保護を目的とした法律に多く規定されています。

例えば、企業とその従業員との労働契約には、労働基準法が適用されますが、この労働基準法の規定は、大半が強行規定です。

また、企業間の契約であっても、それぞれの資本金の金額と契約内容によっては、下請法が適用されますが、下請法では、支払期限等が強行規定となっています。

さらに、企業と一般消費者との契約では、消費者契約法や特定商取引法により、企業側が一方的に有利になる契約内容を無効とする強行規定があります。

このように、企業が関係する契約には、多くの規制による強行規定があるため、自由に内容を決められないことがあります。

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方法自由の原則の制限・限界・例外

要式契約・要物契約が典型例

方法自由の原則の例外としては、代表的なものは、契約の成立に契約書の取交しなどの、特定の方法が必要な場合があります。

例えば、保証契約は、「書面でしなければ、その効力を生じない」(民法第446条第2項)とあるとおり、契約書の取交しがないと、そもそも契約自体が成立しません。

このようなに、契約にの成立に一定の方式を必要とする契約を「要式契約」といいます。

要式契約の定義

要式契約とは、契約当事者の合意のほかに、成立に何らかの方式が必要な契約をいう。

また、消費貸借契約は、「…相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる」(民法第587条)とあるとおり、単に契約を締結するだけでなく、貸借の対象となる金銭や物の受取りがなければ、成立しません。

このように、契約の成立になんらかの物・金銭等の引渡し・受取りを必要とする契約を「要物契約」といいます。

要物契約の定義

要物契約とは、契約当事者の合意のほかに、成立に何らかの物品・金銭の引渡し・受取りが必要な契約をいう。

事業上の契約は方法自由の原則の制限・限界・例外が多い

方法自由の原則の例外としては、事業における契約では、書面の交付が必要な場合が多いです。

代表的な例としては、下請法第3条にもとづく、親事業者による「三条書面」の交付義務があります。

同様に、建設工事における、建設工事請負契約書の取交しの義務もあります(建設業法第19条)。

この他にも、次の契約書が、法律によって作成が義務づけられています。

法律によって作成が義務づけられている契約書

  • 一部の業務委託契約書等(下請法)
  • 建設工事請負契約書(建設業法)
  • 家内労働手帳(家内労働法)
  • 建設工事設計受託契約書・建設工事監理受託契約書(建築士法)
  • 雇用契約書・労働契約書・労働条件通知書(労働基準法・労働契約法)
  • 労働者派遣契約書(労働者派遣業法)
  • 一部の消費者向けの契約書(特定商取引法・割賦販売法)
  • 金融商品取引契約書(金融商品取引法等)
  • 投資顧問契約書(同上)
  • 探偵契約書(探偵業法)
  • 住宅宿泊管理受託契約書(住宅宿泊事業法)
  • 保険契約書・保険約款(保険業法)
  • 信託契約書(信託業法)
  • マンション管理委託契約書(マンション管理適正化法)
  • 不動産特定共同事業契約書不動産特定共同事業法)
  • ゴルフ場会員契約書(ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律)
  • 商品投資顧問契約書(商品投資に係る事業の規制に関する法律)
  • 定期建物賃貸借契約書(借地借家法)
  • 特定商品等預託等取引契約書(特定商品等の預託等取引契約に関する法律)
  • 貸金業者による金銭消費貸借契約書(貸金業法)
  • 一部のフランチャイズ契約書(中小小売商業振興法)
  • 積立式宅地建物販売契約書(積立式宅地建物販売業法)
  • 警備契約書(警備業法)
  • 熱供給契約書・約款(熱供給事業法)
  • 電力小売供給契約書・約款(電気事業法)
  • ガス小売供給契約書・約款(ガス事業法)
  • 産業廃棄物処理契約書(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
  • 不動産の売買・交換・賃貸に関する契約書(宅建業法)
  • 企画旅行契約書・手配旅行契約書等(旅行業法)
  • 福祉サービス利用契約書(社会福祉法)
  • 商品取引契約書(商品先物取引法)
  • 有料放送の役務の提供に関する契約書(放送法)
  • 雇入契約書(船員法)

このように、事業上の契約では、契約書等の書面の作成義務があるため、注意が必要です。

なお、これらの法律上作成が義務づけられている契約書につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。