こんにちは。契約書作成専門・小山内行政書士事務所代表の小山内です。

このページでは、契約書のタイトル・表題の書き方や注意点について解説しています。

契約書のタイトル・表題は、実は契約内容に直接影響を与えることはありません。

このため、よほど実態とかけ離れたタイトル・表題でない限り、タイトル・表題の書き方そのものが問題となることはありません。

ただし、逆に、いくらタイトル・表題を取り繕ったところで、契約書は本文の内容で判断される、ということでもあります。

このページでは、こうした契約書のタイトル・表題について、わかりやすく解説しています。

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契約書のタイトル・表題は法的には重要ではない

【意味・定義】契約書のタイトル・表題とは?

契約書のタイトル・表題は、契約書の表紙、または冒頭に表示される、契約の名前のことです。

タイトル・表題は、契約書の概略がわかるようにつけます。

具体的には、例えば、◯◯売買契約書、◯◯製造請負契約書、建物建設工事請負契約書、◯◯業務委託契約書、◯◯賃貸借契約書などがあります。

これといった表現が思いつかないような、複雑な内容の契約書の場合は、法的は、単に「契約書」でも問題ありません。

ただ、よほど表現に困るような契約書でもない限り、なんらかの契約の概要を示すタイトル・表題とするべきでしょう。

契約書のタイトル・表題は本文には影響を与えない

契約書の表題の効果についてですが、実は、タイトル・表題の表現自体は、さほど重要ではありません。

契約書は、本文の内容、つまり契約内容・契約条項によって解釈されます。

タイトル・表題は、契約内容・契約条項の解釈には関係しません。

つまり、どのような表現のタイトル・表題であろうとも、法的には、契約の効果そのものには影響を与えません。

ポイント

  • 契約書のタイトル・表題は、契約書の表紙、または冒頭に表示される、契約の名前のこと。
  • 契約書のタイトル・表題は、契約書の本文の契約内容には、影響を与えない。
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契約書のタイトル・表題に騙されてはいけない

タイトル・表題を「逆手に取る」こともある

なお、表題自体が法的に重要でないことを逆手にとって、紛らわしい内容の契約を結ばせようとする悪質な者もいます。

例えば、代理店契約と販売店契約のような一見して似たようなタイトル・表題が問題となります。

具体的には、内容は代理店契約なのに、表題が「販売店契約書」となっている場合や、その逆の場合などです。

なお、代理店契約と販売店契約の違いにつきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

代理店契約と販売店契約の違いは?

契約書のタイトル・表題で「下請け隠し」

また、契約内容自体は完全に下請法の対象となる下請取引であるもかかわらず、下請事業者が、それと気づかないタイトル・表題とすることもあります。例えば、「業務提携契約」のようなタイトル・表題です。

悪質な親事業者は、このようなタイトルとすることで、なんとなく下請取引でないような雰囲気を出し、下請法の適用を免れようとします。

実際、下請法の適用対象となる「製造委託等」(下請法第2条第5項)に該当するかどうかは、難しい判断となります。

このため、場合によっては、タイトルでごまかされる下請事業者もいらっしゃるでしょう。

どんなタイトル・表題の文書でもうかつに署名・サインしない

注文書・発注書や見積書のように、ありきたりなタイトルの文書であっても、署名・サインがあれば、契約書と同様の法的効果が発生します。

こうした文書も、裁判になった場合は、最終的には、その内容が判断されるのであって、(少なくとも主要な要素としては)タイトル・表題が判断されるわけではありません。

つまり、ここでも、文書のタイトル・表題に惑わされることなく、内容を厳しくチェックする態度が必要となってきます。

特に、受注者が用意した注文書にサインしてしまった場合は、欄外や裏面などに記載されている点についても、合意したものとみなされますので、注意が必要です。

業務委託契約書は最もタイトル・表題に注意する

なお、業務委託契約書は、タイトルよりも内容が重要となる典型的な契約ですから、特に内容には注意して確認するべきです。

「業務委託契約」という契約は、民法や他の法律での定義がない契約で、案件によって、内容は様々です。

つまり、「業務委託契約」というタイトル・表題は、何も表現していないのと同じことなのです。

このため、他の契約書よりも、一層厳しく内容のチェックをするべきです。

このほか、業務委託契約につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

業務委託契約とは?その意味・ポイント・リスクをわかりやすく簡単に解説

ポイント

  • 事業者によっては、タイトル・表題を逆手に取って、契約内容を偽装したタイトルとすることがある。
  • タイトルを偽装することで、下請法の適用対象外であるかのようにする親事業者もいる。
  • どのようなタイトル・表題の文書であれ、署名・サインをすると、法的拘束力が発生する可能性がある。
  • 業務委託契約は、タイトル・表題よりも、内容を厳しくチェックするべき。
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念書・覚書・確認書・仮契約書も法的拘束力がある

タイトル・表題による法的効果・法的拘束力の違いはない

タイトル・表題が念書・覚書・確認書・仮契約書等の文書は、法的効果が薄い、あるいあh法的拘束力が無いように思われがちです。

ところが、実際には、すでに触れたとおり、例え表題が念書・覚書・確認書・仮契約書であっても、内容が契約であれば、立派な契約書となります。

ですから、「一筆書いてくれ」といわれても、軽々しくサインはせずに、しっかりと内容を検討したうえでサインするべきです。

なお、仮契約書の法的効果や法的拘束力につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

仮契約書の意味・リスクとは?法的効果・法的拘束力はあるの?

契約書の署名・サインに「形だけ」はあり得ない

また、「形だけだから…」と言われて、軽々しく文書に署名・サインしてしまう人もいらっしゃいます。

しかし、どんな”形”であれ、軽々しく文書に署名・サインすることは、非常に危険なことです。

いったん文書にサインしてしまえば、「形だけ」とはみなされません。

本当に「形だけ」なら、その文書にもその文書が「形だけ」である旨や法的拘束力がない旨を記載したうえで、サインするべきです。

このほか、形式だけの文書につきましては、詳しくは、次のページをご覧ください。

形だけの雛形の契約書のリスクは?心裡留保・虚偽表示・詐欺による救済は?

ポイント

  • 念書・覚書・確認書・仮契約書も法的拘束力がある契約書の一種。
  • 「形だけ」の署名・サインでも法的拘束力が発生する。
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タイトル・表題で役所はごまかせない

印紙税の課税文書かどうかはタイトル・表題ではなく内容次第

なお、印紙税の節税(実際は脱税)目的で、本来のタイトル・表題とは別のタイトル・表題としたとしても、意味がありません。

というのも、国税庁・税務署の担当者は、その契約書が課税文書に該当するかどうかは、内容を見て判断しています。

契約書のタイトル・表題は、参考程度にしか考えていません。

むしろ、実態を反映していない契約書のタイトル・表題は、かえって国税庁・税務署の担当者から、疑念をいだかれるリスクが高くなります。

役所の担当者は契約書のタイトル・表題は気にしない

このような傾向は、国税庁や税務署の担当者に限った話ではありません。

例えば、労働者派遣法の適用を免れるために、本来は違法な業務委託契約(いわゆる偽装請負)をする際、契約書のタイトル・表題を「製造業務委託契約書」としても、ほどんど意味がありません。

こうした場合も、労働局の担当者は、契約書のタイトル・表題ではなく、契約内容と、なによりも契約の実態を厳しくチェックします。

そもそも、公務員は、どの部署や省庁であれ、文書のプロであり、小手先のテクニックでタイトル・表題を変えたところで、ごまかせるものではありません。

ポイント

  • 印紙税の課税対象となる課税文書かどうかは、契約書のタイトル・表題ではなく契約書本文の記載による。このため、契約書のタイトル・表題ではごまかせない。
  • 偽装請負に該当するかどうかは、契約書のタイトル・表題ではなく、契約書本文の記載と、契約の実態によって判断される。このため、契約書のタイトル・表題ではごまかせない。